資料の収集

小型のものなら資料なしで描くことも可能ですが、大型のものや、架空兵器を作る時は資料があったほうが楽です。
実在兵器はその兵器の図面か何かが1つあれば作成できますが、架空兵器は似た形の兵器の資料をある程度集める必要があります。

1、大まかな形の決定
架空兵器ですから、性能と形状を決定する必要があります。それによって選ぶ資料も変わってくるので結構重要です。実在兵器の場合は無視して資料集めの段階に入ってください。


今回はアングルドデッキのついた航空巡洋艦を作ろうと思います。資料が大量にあるので日本型巡洋艦を予定。
まずロンドン条約の"巡洋艦排水量の25%は飛行甲板としてもよい"という条項を利用したと思ったのですが、条約型巡洋艦というと全長は200m前後。 アメリカの条約型航空巡洋艦、No39型の設計から言って、排水量の25%というと全長の半分くらいです。すなわち100m前後。
護衛空母の2/3くらいしかありません。カタパルトを使えば零戦がぎりぎり運用できるかも、程度の飛行甲板長なんじゃないでしょうか。それでは大した意味がないのでこれは却下。

もっと大型の日本巡洋艦として超甲巡を元にすることを考えてみます。これだったら全長240m、しかもこれだけの大型艦が作れる=条約の影響がない、なので排水量の25%というものにこだわる必要すらなくなります。これだったらなんとかなりそうです。
航空"巡洋艦"で排水量3万t近くの大型艦なのですから主砲は20.3cm以上にしたいところ。今回は巡洋艦らしく20.3cmにして、手数を稼ぐために3連装砲塔を使う、という設定にしようと思います。
主砲塔を20.3cm3連装砲塔*2、計6門とすれば飛行甲板は全長の2/3弱、同じ主砲塔を3基とすれば飛行甲板は全長の1/2強とれるとします、2/3とか1/2って計算楽なので。前部に3基だと計9門で普通の重巡ともそん色ない性能になるので20.3cm砲塔3基を搭載する設定に決定。すなわち飛行甲板は240*(1/2)で120m強。
それでもカタパルトなしで零戦はイケるでしょう。それなら防空専門と割り切ればいいからOK、これで決定です。

ここまで決まれば後は結構簡単に決めていけます。艦の設定を作る時は大きさと主砲が一番悩むところです。巡洋艦部の形は同じく後部を航空機用にした利根級を参考に、艦橋は砲戦指揮用の重巡艦橋と大鳳の艦橋を小型化したみたいなのを合体させます。エレベータは…艦橋後部に1基、右舷舷側に1基、ということにしたいと思います。
2、資料収集


21世紀の原子力空母

設定が決まったところで資料の収集に入ります。今回は、
・ 巡洋艦部分の形状
・ アングルドデッキの形状
・ 空母への高角砲、機銃の設置方法
この3つがよくわからなかったので、この3つに関する資料を本棚から持ってきました。重巡の資料として、"図解 日本の重巡"を、アングルドデッキの資料として、"軍事研究別冊 21世紀の原子力空母"を、空母への高角砲等の設置方法の資料として、"幻の航空母艦"を使います。
架空兵器の場合はこのように色々な資料を持ってきて組み合わせたりする必要があります。実在艦の場合はその兵器の図面か写真と、できればスペックがあれば十分です。また、ちょっと信頼性には欠けるのですが、ネット上から資料を持ってきても問題ないと思います。
3、参考詳細(?)画像の選択
これで描くために必要な最低限の資料はそろったのですが、色を塗る時の参考に、デフォ画像など、大戦略の兵器画像の中から形と塗り方の参考になる兵器画像を選んでおくとやりやすいと思います。
例えば、第三世代戦車を作る場合には90式戦車、M1A2、レオパルド2など、次世代艦を作る時にはズムウォルトやCGXなどを選びます。今回は第二次大戦時の巡洋艦なので、大戦時の重巡の画像をまずもってきます。それがこれ
僕が大東亜2のページに公開されている画像から持ってきた重巡"最上"です。PF3.0にデフォで日本重巡なんてのってないですから、他のゲームから引っ張ってきました。
それから、21号電探みたいな直方体の網型のレーダーの資料が少しでも欲しかったので、それっぽいのがある"ブランコ・エンカラーダ"の画像も選択。この艦は…確かチリ海軍の艦艇でもともとはフレッチャー級駆逐艦だったでしょうか。左画像は引っ張ってくる方法です。
元兵器を複製→"編集"→"兵器詳細画像の編集"→"チェックがついているメニュー(ここでは左右パターン)"(→"左右パターンの場合は右向きや通常向きの選択")→"ペイントの名前を付けて保存で適当な場所に保存"、という流れとなります。
この方法でとってきた画像がこれとなります。

流用する場合は問題になる可能性がありますが、参考画像なら自作画像でもデフォ画像でもほかの方の画像でも何だろうと問題はないと思います。公開時にお礼を書き込めばまず問題にする方はいないかと。
4、参考詳細(?)画像の選択(2)
形状の資料は上のでそろいました。次は彩色時に参考にするデフォ画像の資料です。上で選んだ形状参考画像とおなじで問題ないことも多いですが、例えば潜水艦に迷彩をかけたり、今回のように、船に洋上迷彩(F-2のやつね)をかけたりする場合には他の兵器タイプから参考画像を選ぶ必要があります。

今回は通常の塗装の場合には上とおなじ"最上"を使います。それからネタ用に洋上迷彩をかけたバージョンを作りたいので、"F-2"を上とおなじ方法で引っ張ってきました(左のやつ)。

これで描画に必要な資料はそろいました。では、次から実際に描いていきます。