ディスカバリーチャンネル 航空戦の新時代
ミリタリー分野から恐竜などの化学分野まで幅広く扱ってくれる上にヨドバシカメラなど一部の店では3000円以下で買うことのできるドキュメンタリー番組のDVD版。最近、和訳が変なところがあったり、テンションの低い日本語ナレーションが入ったりでつまらなくなったりと問題点も出てきましたが、それでも楽しいドキュメンタリー番組です。
この"航空戦の新時代"は、RAH-66 コマンチがまだ最新ヘリとして開発中の扱いだったりと多少情報が古いこと、この番組ではいつものことですが、アメリカ軍しか取り上げていないこと、など問題点はありますが、ステルス機、無人偵察/攻撃機など、近年注目されている兵器の解説は一通りされてあります。F-22、F-35、RQ-4といったアメリカ新型機を扱うとたいてい出てくる航空機からLOCAASなんていうこのDVDを見る前は存在を全く知らなかった兵器、武器まで10種類前後を紹介しています。

紹介された兵器の中から興味深かったのを4種類ピックアップしてみました。
まずはAから。AはF-35B試作機の垂直離陸テストの様子らしいです。コックピット後ろは開閉式のファンの空気取り入れ口(?)になっていること、ノズル口が下を向くような仕組みになっていることは、このDVDで初めて知りました。F-35Bの垂直離陸の映像は少ない気がするので、結構貴重だと思います。
次にB。LOCCASというミサイルの飛行CGです。このLOCCASというミサイル、搭載されているレーダーで目標を自分で探して攻撃でき、しかもLOCCAS同士でデータを交換しながら飛行、敵の探索を行えるそうです。敵の対空兵器の形状を記憶させて防空網制圧に使ったりするそうです。このミサイルは自分で目標をさがしてくれるので、母機のセンサーで対空兵器をとらえる必要がないそうです。このミサイルが実用化され、初期不良が直ればアメリカ空軍は対空ミサイルの射程外から敵防空網制圧を行えるようになるのでしょう。 Cはマッハ8前後で飛ぶ極超音速機の案の1つ。垂直尾翼の間にはエンジンがびっしりと並んでいました。カナード付きデルタ翼みたいなデザインが結構好きです。 Dは原子力潜水艦の巡航ミサイル発射VLS(多分ね)から発進する無人航空機のCG。発進もとの潜水艦がロサンゼルス級だとして、全幅は7〜9mといったところでしょうか。X-47と同程度の大きさですので、航続距離を短くすれば十分誘導爆弾の搭載はできそうです。この無人機が武装する際の問題は、安全性を持たせるための"人の介在"をどうやって作るか、ですが。それさえ解決したなら潜水艦から発進して都市や基地を奇襲爆撃する、などという作戦が行えるようになりそうです。

上の4つの兵器、武器のうち、LOCCASと潜水艦発進UAVの開発計画の存在はこのDVDで初めて知りました。F-22やズムウォルトの陰にかくれてあまり紹介されない兵器、武器を紹介してくれるし、CGであっても計画中の兵器、武器が動いている様子というのは見てて楽しいのでお勧めですよ。